作品概要
《ドラ・マールと猫》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1941年から1941年で、ピカソ美術館に所蔵されている。

作品の時代背景
この作品が描かれた1941年は、ナチスがフランスに侵略した年であった。モデルとなっている女性はピカソが55歳のときに恋愛関係に落ち、当時29歳の愛人でありピカソの助手でもあったドラ・マールである。
マールは《泣く女》のモデルでもあり、ピカソの良き理解者であり、《ゲルニカ》の制作過程を写真に残すなど、多くの写真を撮ってきた。二人が恋愛関係に落ちた時、もう一人の愛人であるマリー・テレーズ・ウォルターは妊娠中であった。
作品の逸話
本作品を見ると肩には猫が乗っているが、マールは猫が嫌いだったそうだ。しかし猫のことを気にしながらも、モデルとして、正面を向いている。また、マールの顔の横に目つきの鋭い顔がついており、これはピカソの平面化の描写で表されている。
また、マールの手に注目すると、長く鋭い爪が気になるところである。これはマールの一番の美しい身体のパーツであり、攻撃性も表されているように思われる。
マネの《オランピア》のように、本作品も猫と女性という組み合わせだが、この組み合わせによって性的なアピールを表現している。
ちなみにピカソは幼い頃からずっと猫を飼っていたそうだ。
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