作品概要
《自然の中で横たわる洗礼者ヨハネ》は、画家のアンニーバレ・カラッチによって制作された作品。制作年は1600?年から1600?年で、ナショナルギャラリーに所蔵されている。

《自然の中で横たわる洗礼者ヨハネ》の中で、聖ヨハネは横たわりながら湧き水から小さな容器を右手に持ち水を集めている。これは有名なヨルダン川での洗礼活動をほのめかしている。又、ヨハネの左手には十字架の形をした棒のようなものがある。彼を纏う赤い布は、キリスト教では愛や救済を表す色である。
ヨハネとはキリストに洗礼を授けたキリスト教において重要な人物の一人
ヨルダン川はヨハネがキリストに洗礼を授けた場所であり、又ヨハネこそがキリストへ彼の道を準備した人物である。このように洗礼を受けることが最後の審判の際に救われるたった一つの方法だったらだ。
ヨハネによる福音書の第1章29節に刻まれた言葉である「神の子どもを見る」とは、キリストがヨハネによって洗礼をされるようになったときに話したことである。
洗礼者ヨハネと使徒ヨハネは違う人物
福音書の筆者である洗礼者ヨハネは使徒ヨハネとは違う人物である。使徒ヨハネは元々洗礼者ヨハネの弟子だった。キリスト教では洗礼者ヨハネはイエスの先駆者として捉えられている。しかしカラッチの他の作品ではヨハネは彼は今や使徒の一人だと考えられている。
エックス線撮影によると、《自然の中で横たわる洗礼者ヨハネ》の元々の構図の下に風景と人物が表れたことが明かされた。《自然の中で横たわる洗礼者ヨハネ》は銀行家のジョン・ジュリアス・アンガースタインが遺していたものの一つだったが、政府が彼から買い取った。
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