作品概要
《オデュッセウスとポリュペモス》は、画家のアルノルト・ベックリンによって制作された作品。制作年は1896年から1896年で、ボストン美術館に所蔵されている。

《オデュッセウスとポリュペモス》は、ドイツの画家アルノルト・ベックリンにより1896年に制作された油彩画である。描かれているのは、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」内のエピソードである。ベックリンは《オデュッセウスとカリプソ》(1883年)など、本作の他にもオデュッセイアから材を取った作品を描いている。
モチーフとなった物語
「オデュッセイア」で、オデュッセウスはキュクロプスのポリュペモス――羊の群れの世話をすることに日々を費やした野蛮な一つ目の人食い巨人――を見つけた。ポリュペモスがオデュッセウスの乗組員の何人かを食べた後、オデュッセウスはポリュペモスを酔わせた。ポリュペモスはオデュッセウスに名前を尋ね、オデュッセウスは「誰でもない」と答えた。
巨人が眠った後、オデュッセウスは削った棒でキュクロプスの一つ目をつぶし、盲目にする。翌朝、オデュッセウスたちは、ポリュペムスの羊の群れの下にひもで体を結びつけ、そこに隠れて船まで逃げた。
オデュッセウスの苦難の要因
捕虜を失ったことに気づいたポリュペモスは他のキュクロプスの助けを求めて、「『誰でもない』が俺を傷つけた」と言うが、そのせいで他のキュクロプスの援助は得られなかった。オデュッセウスと乗組員は夜明けに船を出し、盲目のポリュペモスを嘲った。巨人は父であるポセイドンに復讐を願い、逃げる船に巨大な岩を投げた。本作で描かれているのはこの場面である。
この一連の出来事により、オデュッセウスは行く先々で困難を受けることとなった。
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