作品概要
《マキシムの給仕》は、画家のシャイム・スーティンによって制作された作品。制作年は1925年から1925年で、個人所蔵に所蔵されている。

スーティン(1894年-1943年)はロシア系ユダヤ人で、その多くをフランスで過ごした。彼はパリ在住の間、表現派の活動に大きく貢献した人物である。風景、人物、静物などさまざまな題材を描いたが、どの作品も激しくゆがめられた形態、荒々しく大胆なタッチ、幾重にも塗りこまれた不思議な色遣いが特徴である。
ボヘミアン生活
個人主義的表現主義の画家であり、 Les Manditsというグループに属していた。 Les Manditsとは「地獄の亡者たち」と訳されるが、こう呼ばれる理由として、彼らは典型的なボヘミアンアーティストのライフスタイルを送っていて、世間的にあまりよく思われていなかったからである。
毎日アーティスト仲間で夜な夜な飲みに出かけ、酔いつぶれて、次の日の午後からまた活動するといったような生活を送っていたからなのだろう。
主観的な表現
本作《マキシムの給仕》や《赤い服の女》では、スーティンは抽象表現のテクニックを使い、自分の感情のおもむくままに、そのモデルの見た目を過度に強調したり、ゆがめたりして描いた。
本作では、モデルはスーティンの個人的な経験をふまえて、象徴的な存在で描かれている。モデルはチップを要求し、スーティンはそのことに腹を立てる。なぜならスーティンにはお金が無かったのと、給仕の方が仕事がある分、スーティンより社会的立場が上だったからである。
*マキシムは、パリの8区マドレーヌ地区、ロワイヤル通り3番地にあるレストラン。1893年4月7日に設立された。パリでもっとも有名な建物のひとつである。
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