作品概要
《ジョルジオ・ソアヴィ》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1963年から1963年で、ジャコメッティ財団に所蔵されている。

《ジョルジオ・ソアヴィ》は、スイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1963年に制作していた油彩画である。
モデルとなったジョルジオ・ソアヴィとは
ジョルジオ・ソアヴィ(1923-2008)は、イタリアの詩人であり、小説家でもある。ジャコメッティと出会ったのは、1962年の11月で、パリ在住の共通の知人の家で夕食をともにしたことがきっかけだった。
1960年代、ソアヴィは、パリとスイスのグリゾン州にあるスタンパにあるジャコメッティのアトリエを訪問した。1963年には2枚の絵画のモデルとなった。そのうちの1枚は画家のアトリエに置かれていた。晩年の精巧で難解な肖像画と比較すると、顔は丹念に描かれいてるのが、タッチは粗い。キャサリンなどの同時代のパリの人をモデルにした絵画に見られる目立った筆跡がない。
顔のグレーに加えた赤、ジャケットの黄土色がこの人物画を明るく見せている。さらに、カンバスの余白部分に色をつけないことも一役買っている。これはスタンパで制作された絵画の典型的な特徴である。
距離感を重視
ジャコメッティはモデルと向き合っているその距離感に並々ならぬ関心を払う人物として知られている。アトリエの木の床に印をつけ、休憩が入って、ふたたび制作を再開するときも同じ距離をとれるよう常に気を配っていた、と2005年に掲載された記事のなかでジョルジオ・ソアヴィが語っている。
本作は、ジャコメッティ本人による署名も日付の記録もない。画家の生存中には、一般公開されることはなかった。
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