作品概要
《歩く男Ⅱ》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1960年から1960年で、カーネギー美術館に所蔵されている。

《歩く男Ⅱ》はスイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1960年に制作していた彫像である。
人間の強さを表現
普通の人間がひとり1歩1歩を歩んでいるイメージと人間の強さを象徴した作品で、人間の生命力の象徴として、歩く姿を表現した、とジャコメッティは語っている。細長い造形からは脆さも感じさせるが、同時に力強さや躍動感もある。不可能に挑みつづけたジャコメッティの壮大なスケールを味わうことのできる作品だ。
1960年に、アメリカ・ニューヨークのチェース・マンハッタン銀行からの依頼を受けて、ニューヨークの広場のために制作された3点のうちの1点だ。歩く男を何体も作り、プロジェクトに悩んで、ついには契約を破棄した。だが、1961年、作品自体は実物大のブロンズに起こし、ヴェネツィア・ビエンナーレに展示している。
画家の集大成ともいえる作品
《歩く男Ⅰ》は画家の円熟期に制作された作品で、人体の造形に対して果敢に挑戦してきたジャコメッティの集大成というべきものだ。画家自身においてはもちろん、現代美術を理解する作品のなかでも重要な位置に占める。
《歩く男Ⅰ》はアメリカ・ペンシルヴェニア州ピッツバーグのカーネギー美術館に所蔵されているが、他はアメリカ・ニューヨークのオルブライト=ノックス美術館やデンマーク・コペンハーゲン近くのルイジアナ近代美術館に所蔵されている。
《歩く男》は全部で6体ある。そのうちの1作は、2010年2月3日、オークションで1億円を超える高値で売却された。
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