作品概要
《檻》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1950年から1951年で、ジャコメッティ財団に所蔵されている。

《檻》はスイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1950年から1951年にかけて制作した彫刻である。本作は、四角い檻のなかに、女人像と頭部が置かれ、円柱状の脚の土台に四つの四角い台座がついている。
制作背景
1930年代、ジャコメッティは、パリを代表するシュルレアリストたちの活動に参加していた。その時代に作った作品が、四角い檻のなかで、2つの立体を糸で吊るした《吊るされた球》だ。1949年になって、20年かけて追求していた檻というテーマに本格的に取り組みはじめた。そのうちの1つが《檻》だった。
制作当時、1949年の終わりから1950年の初頭にかけて、ジャコメッティは12月に開催されるアメリカ・ニューヨークのピア・マティス・ギャラリーの2回目となる展覧会に向けて準備をしていた。
制作前に構図が見えていた
カタログで公開された文書のなかで、「わたしにはこのコンポジションが、これを作りはじめるまえにこのままの形と色で見えた。しかし女は腕をさしあげ両手をひろげていた、が、これは彫刻ではたちまち耐え難いものになった」とジャコメッティ自身が語っていた。
このコンポジションはアトリエから抽出した静物イメージでもあり、枠に囲まれていることから劇場での芝居のワンシーンのようにも見える。(アトリエの壁にかけられたスケッチから女性は小さな城に住み、カーテンを引くところだということがわかっている)台座の人物の胸像は小立像と並んでいる。
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