作品概要
《女=レオーニ》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1947年から1958年で、ジャコメッティ財団に所蔵されている。

《女=レオーニ》は、スイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1947年から1958年にかけて制作していた彫像の1958年の頃の作品である。
転換期の作品
本作は細長い彫像を作るようになったジャコメッティの転換期の作品だ。現実の女性の身長で、人間の真の姿を突きつけられるような存在感がある。見たものを見たままに表現することができなかったジャコメッティが制作過程で葛藤したあげく生まれたのが、異様に細長い不自然な造形だった。
ジャコメッティが立ち姿の女性の石膏を制作したのは1947年、ピア・マティスのものギャラリーで最初の展覧会を開く準備をしていた頃だった。だが、結局作品がニューヨークに送らなかった。しかしながら、人を細く引き伸ばしたような造形は、折れそうな脆さをも感じさせたが、画家のお気に入りとなり、アトリエに置き続けた。
創造と破壊の試行錯誤
1956年にスイスのベルンの美術館での展示する際、足の部分に破損が見られたので、画家自身により修正した。展示から戻ってくると、さらに部分的な修正を加えた。このときの修正点は正確にはわかっていない。1958年台座を二倍にすることによって完成作とした。最初の台座の下に新たな台座を置き、鋳造所で溶接している。
タイトルである《女=レオーニ》は1959年に画家自身によってつけられた。美術品収集家のペギー・グッゲンハイムのコレクションが公開されているイタリアのヴェネツィアにあるヴェニエール・ディ・レオーニ館にちなんでいる。
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