作品概要
《可変性のダイナミズム:馬+家々》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1913年から1914年で、パラッツォ・レアーレに所蔵されている。

《可変性のダイナミズム:馬+家々》はウンベルト・ボッチョーニによって1913年から1914年にかけて制作された油彩画である。この作品はミラノのパラッツォ・レアーレにある市立現代美術館に所蔵されている。
馬のモチーフ
未来派の画家として、ボッチョーには動きそのものを絵画の中で表現することを追究した。自転車や列車とともに、馬もまた彼のお気に入りのモチーフであった。馬はスピードや野生、男性性といった未来派の賞賛する概念と密接に結びつくからである。ボッチョーニ自身、馬について次のように述べている。「動いている馬というのは、静止した馬が動くこととは全く違っている。動いている物というのは、動く可能性のある物とは区別して考えなくてはならない。我々はこのような新しいスピードの概念を表現できるようにならなくてはいけないし、スピードによって生まれる同時性を研究しなくてはならない。」
ここでいう同時性とは、未来派の重要な概念のひとつであり、表現する対象を様々な角度、観点から分析したときに、複数の局面が同時に現れてくることをいう。具体的には、彼の言う同時性はキュビスム的手法によって、多面体、あるいは切子のような形状として表現される。
作品
この作品は例外的に横長の画面である。規則的な三角形の幾何学的形態によって構成された画面いっぱいに、馬、その乗り手、過ぎ去っていく家々が渾然一体となって過ぎ去っていく。
この作品の準備素描は2点あり、それぞれ個人コレクションとロンドンのエリック・エストリック・コレクションに所蔵されている。また、類似するタイトルの別の作品《馬+騎手+家々》がローマの国立近代美術館に所蔵されている。
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