作品概要
《サッカーをする人のダイナミズム》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1913年から1913年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《サッカーをする人のダイナミズム》はウンベルト・ボッチョーニによって1913年に制作された油彩画である。この作品は現在ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
様式
この作品においてボッチョーニは、「デヴィジョニスモ」の様式に近づいている。ディヴィジョニスモ(色彩分離派)とは北イタリアで19世紀末に起こった絵画運動の一つで、後期印象派の画家たち、とりわけスーラなどに影響を受けて点描によって色彩表現を行う画家たちのことである。そのうちの一人ジャコモ・バッラにボッチョーニはその技法を習ったが、のちにバッラ自身未来派に参加しており、両派は密接な関係にあった。
パレット上で絵の具を混ぜ合わせた場合に、色調は暗くなることを免れない。これを避ける為、混ぜ合わせたい色をキャンバスの上に隣同士に点描で置くことにより、遠くから見ると色が混ざって見え、その上明度を明るく保つことができる。これが色彩分離の手法である。例えば、パレット上で赤と青を混ぜるよりも、赤と青を点描で隣合わせに描いた時のほうが、混色の紫は明るく見えるのである。
作品
イタリアでサッカーが始まったのは1898年であるとされ、その激しい動きやスピード、男性性は未来派の格好のテーマであった。画面の周囲から発せられるスポットライトのような光を浴びて、中心からリズミカルに展開するバラ色の形態によって、サッカーをする人の様々な動き、例えばボールを蹴る膝が表現されている。
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