作品概要
《秘密の遊戯者》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1926年から1927年で、個人蔵に所蔵されている。

この作品が描かれた1927年はマグリットの多作時代で一週間に一つの作品をさせていたと言われている。作
品をよく見ると、柱に見立てた西洋のけん玉が並木道に沿って置かれている。その奥には桜の木が花をつけてその枝を伸ばしている。しかし桜の木の幹は見あたらず、けん玉の柱から枝がのびているように見える。空に浮かぶのは黒い亀、その下で何の不思議にも思わず一心に野球をしている白いユニフォームの二人の男性がいる。
右手には箱の中にマスクをしている女性が一人。一番手前には赤いカーテン、と言うよりはもっと重厚な劇場などで見かける緞帳があり、まるでそれが引かれれば全てがカーテンの向こうに消えてしまうかのように重々しく存在している。それぞれがなんの脈絡もなく一枚の絵の中に存在し不思議な世界を作り上げている。
マグリットの作品にカーテンが描かれて居るときには多くの場合何かを隠していてそれを我々が見ることを許されていない。この作品においてはカーテンは右端に引かれていて、その向こうの世界を見せてくれている。しかしカーテン一枚だけで危ういイメージのあちら側の世界とそれを見ている我々ががいるこちらの世界を隔てているのだ。本来は野球のゲームは明るく楽しいものであるはずなのに、この絵を見ているとなにか暗く邪悪でなんとも落ち着かない気分にさせられるのは何故であろう。
このタイトル『秘密の遊戯者』であるが、マグリットのタイトルのつけ方は独特でありこの場合は言葉の遊びのようで作品のテーマを象徴しているようではなさそうだ。
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