作品概要
《美しい世界》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1962年から1962年で、個人蔵に所蔵されている。

この絵の背後にはスカイブルーの空と白い雲がくっきりと、手前にはやはりブルーで床かステージが描かれていてそこにはカーテンの形に切り抜かれた空と2枚のカーテンが。目に見えているものとそれを隠すもの、両者を巧みに利用し見る者を不思議な世界へと誘うマグリットの作品『美しい世界』。
スカイブルーと白い雲は彼がよく使うモチーフだが、美しい空の一部ををカーテンで覆ってしまいその背後には何がかくれているのか、隠すことによりその奥に何が存在するのか好奇心が掻き立てられ、受け手は想像力を駆使し答えを見つけるよう問われている。美しい世界は本当にそれだけでできているのか? 隠れているものの真実を知り明かしたいか、でもそれによって『美しい世界』は変わってしまう恐れもある。
それでも私たちは好奇心に勝てるか。世の中には隠しておいて見ないでいたほうがよいものも実はあるのではないか? 手前に描かれている青リンゴがその葛藤を象徴するアイテムであるといわれている。
この作品に関してマグリットは『「私の目の前にカーテンがかかっているように、世界を見ることができた」と語っている。
マグリットの友人であるハリー・トルツイナーはこの作品をとても気に入り自分のコレクションに加えたかったようだが彼の目に止まる前にすでに売却されていたので『美しい世界』に似ている作品を彼に依頼したといわれている。確かにとてもインパクトのある作品である。
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