作品概要
《街路の力》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1911年から1911年で、スイスに所蔵されている。

《街路の力》はウンベルト・ボッチョーニによって1911年に制作された油彩画である。この作品はスイスのヘンギー・コレクションが所有しており、現在はバーゼル美術館に貸与されているため、そこで見ることができる。
作品の来歴
この作品は1911年のボッチョーニのパリ旅行の後に制作された。単純な直線で構成された画面には、彼がパリで見たピカソやブラックらによるキュビスムの影響が如実に表れている。
この作品は1912年2月にパリで行われた未来派の展覧会を皮切りに、ヨーロッパ各地を巡回したあと、詩人で作曲家のヴァルデンに購入された。彼の死後はその妻が所有し、その後シュトゥットガルトでオークションに出品された。
作品
この作品はボッチョーニの作品の中でも最も抽象主義に近づいている。画面の中には具体的な物語を想起させるようなものはほとんど描かれていない。上方から差し込むスポットライトのような光のほかには、いくつかの人影と、電車か車のヘッドライトのようなものが見て取れるだけである。
この絵のための唯一の準備素描はミラノのスフォルツェスコ城の版画素描コレクションに所蔵されているが、そこでは乗り物の運転手や身を寄せ合って歩く男性の一群、車輪などのモチーフが明確に判別できる。ボッチョーニは油彩画にする際に、よりモチーフを単純化・簡素化し、それによって具体的な事物よりも、それらが動くダイナミズムを強調して表現しようとしたのだと思われる。
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