作品概要

マデレーン・カステンの肖像》は、画家のシャイム・スーティンによって制作された作品。制作年は1929年から1929年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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スーティンと肖像画

リトアニアで生まれたシャイム・スーティンは、印象派やパリ派と深く関わっており、肖像画や風景画にレパートリーを広げる以前には、主に静物画に焦点を当てていた。

ポール・セザンヌ(1839-1906)やヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853-1890)、マルク・シャガール(1853-1890)、モジリアーニ(1884-1920)などのような現代美術アーティストに影響を受け、《オスカー・ミスチカニノフの肖像》(1923、国立近代美術館、ポンピデューセンター、パリ) や《マキシムの給仕》(1925、オルブライト=ノックス美術館、ニューヨーク)のような、印象派自画像で最もよく知られている。

マデレーン・カステン

フランスのアンティーク商でインテリアデザイナーも務めるマデレーン・カステン(1894-1992)は、夫のマルセリン・カステンと共に現代美術の精力的なパトロンであり、1920年代後期から1930年代にかけて、シャイム・スーティンの主なサポーターであった。有名なアメリカ人コレクターのアルバートC.バーンズ博士(1872-1951)の依頼で描かれたアーティスト絵画は全て高額であったが、カステン夫妻は非常に裕福であったため、1923年にはバーンズ氏のスタジオの作品をすべて購入した。

本作の特徴

本作では、スーティンは彼女の堂々とした、威厳のある姿を完璧にとらえている。マデレーンの高価なオセロットの毛皮のコートは、女王のマントのように肩にかけられている。しかし、彼女は権力を持っていたにもかかわらず、その様子にはその弱さも表されている。彼女の目はおどおどしており、顔は不安でゆがんでいて、頬は赤みを帯びている。

画家と被写体の心理戦

マデレーン・カステンは明らかに落ち着かない状態だったのである。スーティンの筆づかいの跡がいたるところに緊張感を生み出している中で、その手は緊張と不安でねじ曲がっており、コートに隠れて安心感を得るかのように頭は丸まった肩の間に沈んでしまっている。

この肖像は、アーティストと被写体の間の心理的な激しい対決の記録でもある。マデレーン・カステンはスーティンの近くに座っている、というのも彼女の膝とドレスがかかっている右足の太ももを同じくらいの高さに描いているところから、それは明らかである。

印象の多面性

全体として、受ける印象は上品で、洗練されていて、権力に慣れている人であるが、それと同時に、短気で、明らかに傷つきやすい人だということだ。表現主義らしい筆づかいや色づかいが、この印象をより強調しているのである。

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基本情報・編集情報

  • 画家シャイム・スーティン
  • 作品名マデレーン・カステンの肖像
  • 英語名Portrait of Madeleine Castaing
  • 分類絵画
  • 制作年1929年 - 1929年
  • 製作国フランス
  • 所蔵メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ100cm
  • 横幅73.3cm
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