作品概要
《アンドリューズ夫妻の肖像》は、画家のトマス・ゲインズバラによって制作された作品。制作年は1749年から1749年で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

制作の背景および描写
18世紀半ば、裕福な新婚夫婦が彼らの地位を記念するために依頼したのがこの作品である。
一番左側にいる人物はロバート・アンドリューズである。夫人のフランシス・アンドリューズはベンチに座っている。彼らは、当時のイギリス貴族の生活様式を反映した衣服を着用している。
アンドリューズ氏の領地であるサドバリー近郊のオーベリーの風景は、彼らの広大な土地が小麦の生産や牧羊に使用されていたことを伝えている。現代的な農業手段を備えた施設は、典型的な狩猟帽を誇り、右腕の下にライフルを挟むように見えるので、気晴らしのために十分な余暇をアンドリュー氏に提供したようである。女性が着ている淡い青色のの精巧なガウンは、宮廷での儀式のために着用する服装であった。
風景を描くための空間
自身らの華麗さを示しながら、夫婦は会話をしているように鑑賞者を見ているように見える。このことからこの作品は、18世紀のイギリスで人気があった、会話中の打ち解けた人々を描くという集団肖像画のジャンルである「カンバセイション・ピース」に分類することができる。
しかし、この作品は珍しいものであり、その伝統からは逸脱している。たとえばアンドリュース夫妻は、画家の存在を鑑賞者として明確に認めている。
またゲインズバラは、モデルを強調して中央に配置するような作品とは異なり、夫妻を左に並べ、風景を描くための空間を広げている。この区別は、画家の風景画に対する嗜好、そして一方では彼の主な収入源であった肖像画の重要性を説明している。
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