作品概要
《アルバム》は、画家のエドゥアール・ヴュイヤールによって制作された作品。制作年は1895年から1895年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

《アルバム》は、19世紀から20世紀のフランスの画家でナビ派のひとりにかぞえられるエドゥアール・ヴュイヤールによって1895年に制作された油彩画である。ヴュイヤールがタデ・ナタンソンのために描いた装飾パネルである。『ピアノを弾くミシアと演奏を聴くシパ』のなかで、壁にかかっているパネルとして描かれている。
タイトルの由来
この五連の大きなパネルに描かれた本作は、1894年から1895年にかけてタデ・ナタンソンとミシア・ナタンソン夫妻から依頼を受けて制作された。タイトルがアルバムとなっているのは、絵の中心に描かれていたのがアルバムだからだと推測できる。
瞑想に耽り、夢を見ているような女性の姿と鼻のモチーフは、暖かみのあるタピストリーを連想させる効果を生みだし、全体の色調をととのえている。
広くて開かれた場所を描くという意図があったものの、ナタンソンの妻であるミシアがイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に興味を持っていたことからその影響も見てとれ、因襲にとらわれない装飾になっている。
ナタンソン家に訪れた芸術家たち
ヴュイヤールは、サン=フロランタン通りにあるナタンソンのアパルトマンに実際に足を運び、大きさを決めた。
このアパルトマンは、画家、作家、音楽家という多くの芸術家たちの交流の場でもあった。作曲家のクロード・ドビュッシー、詩人のステファヌ・マラルメ、小説家のアンドレ・ジッドもよく訪れていた。(また芸術家ではないが、政治家のレオン・ブルムの姿もあった)彼らはタデ・ナタンソンの前衛的な雑誌《白いレビュー》に寄稿していた。
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