作品概要

雪の中の狐》は、画家のギュスターヴ・クールベによって制作された作品。制作年は1860年から1860年で、ダラス美術館に所蔵されている。

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矛盾をはらんだ光景

本作《雪の中の狐》は、1860年にギュスターヴ・クールベにより描かれた作品である。狐は、毛で覆われていて抱きしめたくなる見た目で、犬が遊んでいるようなポーズをしているので、まるで季節の挨拶状の、かわいらしい冬の雪景色の挿絵かと勘違いしてしまいそうになる。

そこで狐が何をしてるか見てみると、その手にはネズミの死骸があり、狐は顎でネズミを捕まえており、見えにくいが血の塊があるようだ。真っ白な雪の上に少量の血液があり、光の下で観ると作者のこすった手の痕がみえる。

この作品は、矛盾をはらんだ暴力的な光景で、一見かわいらしいが同時に残酷で冷たい冬を描いており、生きるために動物にかぶりつく狐の姿が観るものを引き付けるのである。地面から突き出たゴツゴツした岩や、雪が積もってしなった木の枝があることで、狐の周囲が三日月型で囲われているように描かれている。

独特な技法

本作の狐のように、クールベの描く像は絵画の歴史の移り替わりを表しており、クールベ以前の時代のロマンチシズム正統派時代から、リアリズムの特徴を持った要素を多く見ることができる。近くで観てみると、リアリズムの緻密さを壊しているのがわかる。

例えば、激しく狂気じみて、あらわになった筆跡などである。クールベは、中央の狐の周囲の構図を構成はするが、技能的な正確さを重視するために遠近画法を再現することはなかった。むしろ狐の存在を際立たせるために次元性を活用しており、それは狐がほとんど絵画の表面に座っているかのように見える技法なのである。カンバス全体が感情の特異性を表現するよう組み立てられており、この情景のどの要素もただ単に存在しているだけではない。この絵にある全てのものが、観るものをその世界に強く引き込ませる要素になっているのである。
 

主観と表現

絵画が近年の写真の出現と共存するなかで、クールベはモダニズムやモダンリアリズムの父と呼ばれている。ほんの十数年後にはモネが、細かい表現や事実に基づくリアリズムにほとんど配慮しない画法を用いて、明るい色づかいで自然の景色を描くことになる。

これは主観的な世界である。その世界は、アーティストの主観的な経験のフィルターを通して生み出されているものなのである。

本作では、リアリズムの要素は損なわれないままであるが、一方でクールベは、自身の絵画的センスの需要に対して、やはり自然の景色を利用しており、カンバス上のリアリティを自分自身のやり方で一つの世界として表現している。それは俗世的で残酷でダーウィン的な世界で、ロマン主義の理想形ではない。これは、氷に覆われた白い世界で燃え盛る炎を表現しているのである。

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基本情報・編集情報

  • 画家ギュスターヴ・クールベ
  • 作品名雪の中の狐
  • 英語名Fox in the snow
  • 分類絵画
  • 制作年1860年 - 1860年
  • 製作国フランス
  • 所蔵ダラス美術館 (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ85.7cm
  • 横幅127.9cm
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