作品概要
《森の裸体》は、画家のフェルナン・レジェによって制作された作品。制作年は1909年から1911年で、クレラー・ミュラー美術館に所蔵されている。

《森の裸体》は画家のフェルナン・レジェによってフランスで制作された油絵作品。現在はアムステルダム、オッテルローにあるクレラー・ミュラー美術館に所蔵されている。
特徴的なキュービスト様式
フェルナン・レジェは建築家として訓練を受けたが、まもなく画家の道へと転換した。自身の作品の中に本質的な構造と秩序を追求しているポール・セザンヌに憧れの念を抱く。全ての自然界の形は球、円錐、円柱に縮小することができるというのが、レジェの考え方である。レジェはまた、パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックのキュビスムにもインスピレーションを見出していた。この考えを元に、レジェは現実を円柱や管、円錐を使用したリズミカルな構成に縮小するという非常に特徴的なキュービストの様式を発展させた。
幾何学的形状
《森の裸体》は、レジェの最初の大作であり、セザンヌの分析的な取り組みへの敬意を表した作品とも考えられる。機械化した画には、幾何学的な形から成り立つ3つのヌードを見出すことができる。左側にあるのは両腕を挙げた立ち姿の人物、わずか下の方で座っている裸体、そしてはるか右手には、片腕を挙げているもう一つの裸体の3つである。明らかに混乱している形状たちは、本作品を非常にダイナミックなものにさせている。
「かたまりの闘争」
レジェ自身は本作品を落ち着きのある緑、青みがかった灰色、灰色そして白の「大きなかたまりの闘争」ともみなしている。『この作品には、どんな色も足す必要が無いと思う。大きなかたまりだけで十分だ』。
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