作品概要
《田園の鍵》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1933年から1933年で、ティッセン=ボルネミサ・コレクションに所蔵されている。

本作のタイトルは、「自由への扉」とも訳される。
マグリットは、他の作品でも使った技法をここでも使用しており、写真のように見事な景色のある窓のシーンで、カーテンとイーゼルを利用して、見ているものを錯覚させるのだ。
彼はこれらの作品で、鑑賞者が実際に見ているものは絵に描かれた窓で、本当の窓ではないことを伝えている。
「田園の鍵」では、風景がキャンパスではなく、窓ガラスに描かれている。ここでマグリットはファサードのガラスを壊し、反対側の画像と全く同じように露出させている。透明なガラスを通して観ていた景色は、ガラスが割れることによって、実際は絵に描かれたものだと気付く。「田園の鍵」で彼は、自然の絵を周囲の環境と同じくらい平凡に描き、鑑賞者へ「世界は我々自身の内部の表象にすぎない」と認識させることによって、彼自身の作品の意義をなくさせている。
マグリットにとって、イメージを描くということと、観念を描くことは別物で、彼が空を描いたとしても、それは彼の抱いているイメージで、「空」という観念ではないのだ。彼の作品をみて、そこに意義をもたせるのは無意味だといえる。
「この点に関するすべての混乱を可能な限り避けることが賢明と思われます。それらは対象(鈴、空、木など)であって『象徴』ではないのです。」(1964年4月26日付けフィリップ・ロバーツ=ジョーンズ宛書簡)
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