作品概要
《ベアータ・ベアトリクス》は、画家のダンテ・ガブリエル・ロセッティによって制作された作品。制作年は1864?年から1870年で、テート・ギャラリーに所蔵されている。

ダンテの詩の登場人物
《ベアータ・ベアトリクス》は、ラファエル前派の画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティによって1870年に完成された油彩画である。ダンテ・アリギエーリによる詩「新生」の中のベアトリーチェ・ポルティナーリの死の瞬間を描いている。絵のタイトルは、「祝福されしベアトリーチェ」という意味である。「新生」は、ロセッティが子供時代に興味を持った詩である。彼は1845年にはそれを英語に翻訳し、彼の作品《初期のイタリア詩人》にて出版した。
亡き妻がモデル
ロセッティは、1862年にアヘンの多量摂取により死去した妻であり、頻繁に彼の作品のモデルを務めたエリザベス・シダルをモデルにして本作を描いた。この絵は、妻が生きているときにロセッティが描いた多くのスケッチから作成された。《ベアータ・ベアトリクス》はロセッティ作品の中でも最も有名なものの一つであり、シダルの名をダンテのベアトリーチェと頻繁に関連付けさせるものとなった。
幻想で表現された理想
愛のメッセンジャーである赤い鳩に見られる象徴主義は、アヘンと妻の死因を表す白いポピーを持つシダルへの画家の愛と関連付けられている。シダルの友人の何人かは、顔の特徴ががっしりとしており、首がアンバランスであるため、この絵はシダルのスケッチと類似点が少ないと判断した。
ロセッティは、1873年の友人ウィリアム・モリス宛ての手紙の中で、「ベアトリーチェの死の事実を表現するのではなく、幻想や突然の霊的な変容によって象徴される、主題の理想として描いた」と述べた。
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