作品概要
《世界大戦》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1964年から1964年で、個人蔵に所蔵されている。

画題
豪華な白いドレスを着た裕福そうな女性が低い塀の前に立っている。多くの作品で、マグリットは背景の一部をマスキングして、大きなものの前に小さなオブジェクトを配置している。
今回もこの方法で、マグリットは鑑賞者から彼女の身元を隠し、女性の顔の上にを紫色のスミレを配置している。女性の高価なドレスは、おそらく彼女の顔そのものよりも、彼女のアイデンティティーをより示しているのが不思議だ。
他作品との関係
マグリットの作品には、《世界大戦》と同じように海と低い塀をバックに人が立っている構図のものがある。
《人の子》(1946)は山高帽の男性の顔がりんごで隠されている作品で、マグリットの作品の中ではよく見かけるものだが、本作のようなスミレで顔を隠した女性はこの作品以外で描かれてはいない。他の女性が出ている作品はほとんどがきちんと顔を描いたポートレイトばかりだ。
来歴
ルネ・マグリットは1964年第一次世界大戦、第二次世界大戦を経験後にこの作品を油彩で制作し、2003年にオリジナルのカラーリトグラフがパリのフィリップ・モレノで印刷されている。
この作品は、右下の余白にファックスでマグリットがサインをし、マグリットのパトロンであるAGADP代表のチャーリー・ハルスコビッチが左下の余白に鉛筆でサインをしている。左下余白に鉛筆で300まで番号がふられ(合計360あり、1?45まではアーティスト認証がされ、15枚はThe Succession Magritteが保管している)、左下余白にADAGPと右下の余白にThe Succession MagritteのBlind-stampが刻印されている。
このリトグラフの裏側にも油彩と同じくタイトル、印刷会社などが記載されている。
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