作品概要
《人間の条件》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1933年から1933年で、ナショナルギャラリーに所蔵されている。

マグリットの代表的手法
マグリットが最も一般的に使用した手法の一つが、その背後にあるものを非表示にするために物を使用することだ。隠れてものが見えない、隠れているものが見える、という両方を一度に両立した作品で、 例えば、《人の子》(1964)の中では、山高帽を身に着けている人の顔をリンゴで隠し、《快楽の原則》(1937)では明るいフラッシュにより、顔をあいまいにしている。
そして本作では、絵の中に絵を表示させている。
作品評
マグリットは、1933年の作品について以下のように述べている。
「部屋の内側から見た窓の前に、私は絵で覆われた風景のまさにその部分を表す絵を置きました。 このように、絵の中の木が部屋の外にある木を隠しました。鑑賞者にとっては、絵の中の部屋の内側と外側の現実の風景の両方があるのだ。
類似作品
マグリットの作品では絵の中の絵が頻繁に使われている。 《ユークリッドウォーク》(1955)が本作にもっとも近い作品で、高い窓の前にキャンバスが置かれ、近くの高い建物や眼下に見える通りを描いている。《フェアキャプティブ》(1947)では、ビーチのところにイーゼルを配置している。
他の作品と同様に鑑賞者がその背後にあることを期待しているものをキャンパスに描いたものだ。今回の場合は、フレームの前に燃え上がるチューバには反射が使われている。《ピークのコール》(1942)では、カーテンの右側に山の頂が連なり、山前にキャンバスが配置されている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。