作品概要
《複製禁止》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1937年から1937年で、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている。

この絵は、詩人でマグリットのパトロンであったエドワード・ジェームズのために描かれている。ジェームズの顔は描かれていないが、ジェームズの肖像画だと考えられている。この絵は、ジェームズのロンドンの自宅のボールルームに飾るためにマグリットによって制作された三点のうちの一つだった。
この作品は、鏡の前に男性が立っているが、マントルピースの上の本が正しく鏡に反映されているのに、男性は彼の後ろ姿しか見られない。
マントルピースの上に置かれた本は、月並みなコピーであるがエドガー・アラン・ポーの “ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語” だ。 ポーはマグリットのお気に入りの著者の一人であり、マグリットは彼の他の作品でもポーを参照している。 例えば、絵のタイトル“The Domain of Arnheim(1938)”は、ポーの短編小説から同じ名前をつけた。
マグリットは「不許複製」以外でもジェームズの肖像画「エドワード・ジェイムズの肖像」を描いているが、これはテーブルに座って、正面からジェームズを描いているが、彼の顔がカメラのフラッシュによって隠されている。ジェームズの疎外感を表現したものと言われている。
1977年にはグラハム・ヒューズがロジャー・ダルトリーの三作目のソロアルバム“One of the Boys”のカバーとしてこの作品を引用している。
2013年に作られたリチャード・アイオアディの映画「嗤う分身」でもこの作品が使われている。
この絵、めちゃめちゃ気持ち悪くて好き。
2020年2月21日 3:21 am, ID 15315今にも振り向きそうな生々しさとか、男性の顔の不透明さとか色々合わさって、マグリットの中で1番不気味に感じる。