作品概要
《リーゼンゲビルゲ》は、画家のカスパー・ダーヴィト・フリードリヒによって制作された作品。制作年は1830年から1835年で、ベルリン国立美術館に所蔵されている。

精神を吹き込んだ風景画
無限の経験を捉えようとした画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは、鑑賞者に立ち向かう素晴らしい作品を描いた。フリードリヒは、伝統的には重要とみなされていなかった風景画というジャンルを選択し、深い宗教的、精神的意味を作品に吹き込んだ。自然界の威厳は神の壮大さを反映するに過ぎないと信じ、神聖な美しい力を伝えるために、太陽のある景色や霧の広がりを特徴とした絵画を制作した。
解釈と技術の変化
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは、1816年にドレスデン美術アカデミーの会員になり、その2年後に結婚した。彼にとって祖国の解放は、そうした幸せな安定期の予兆となった。愛国的抵抗の刺激がなくなったことは、フリードリヒの象徴的な厳密さをむしろ減少させることとなった。彼は絵の具を幅広く塗る技法を開発し、雲や自然現象など数々の作品を描いた。この作品では、フリードリヒの解釈と技術の変化をはっきりと見ることができる。
山岳旅行の思い出
彼は友人のケルスティングと共に、1810年の夏に、ドレスデン近郊の「ザクセン・スイス」として知られる山岳地帯を旅行した。《リーゼンゲビルゲの朝》は、そのすぐ後に描かれたものであり、山頂の十字架を主題とした作品である。
この後の1830年代の絵画では、フリードリヒは一人の羊飼いだけが住む純粋な景色という観点から山岳旅行を思い起こした。地上と天上の層は、朝霧の混ざったかすみによって調和している。
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