作品概要
《山の朝》は、画家のカスパー・ダーヴィト・フリードリヒによって制作された作品。制作年は1822年から1823年で、エルミタージュ美術館に所蔵されている。

《山の朝》は、ドイツのロマン派の画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒによって、1822年から1823年にかけて制作された油彩画である。ロシア・サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館に所蔵されている。
風景画家フリードリヒ
無限の経験を捉えようとした画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは、鑑賞者に立ち向かう素晴らしい作品を描いた。フリードリヒは、伝統的には重要とみなされていなかった風景画というジャンルを選択し、深い宗教的、精神的意味を作品に吹き込んだ。自然界の威厳は神の壮大さを反映するに過ぎないと信じ、神聖な美しい力を伝えるために、太陽のある景色や霧の広がりを特徴とした絵画を制作した。
羊飼いの前に広がる広大なパノラマ
この大きなサイズの絵画は、おそらくロシアのアレクサンドル2世によって購入された。そのコレクションには、《海の月の出》(1821年、同じくエルミタージュ美術館所蔵)も含まれていた。
前景の牧歌的な点景が、全面的に質の高い田園詩を提供しており、岩場の土地には中景にある急な崖の道を通って、実際にたどりつくことができるようである。しかしこの広大なパノラマの風景は、しばしば未来の風景であると解釈されてきた。岩場の頂上にいる小さな羊飼いの前には、道や崖を越えた無限の奥行きと、めまいがするほどの深淵を見下ろす風景が広がっていることだろう。この眺めは、絵画に崇高な印象を生み出している。
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