作品概要
《嬰児虐殺》は、画家のグイド・レーニによって制作された作品。制作年は1611年から1611年で、ピナコテカ・ナツィオナーレに所蔵されている。

《嬰児虐殺(幼児虐殺)》は、イタリアのバロック画家グイド・レニー(Guido Reni)が1611年にイタリア共和国北部にあるボローニャのサン・ドメニコ大聖堂のために制作したものだが、現在は同じ都市の国立美術館:ピナコテカ・ナツィオナーレに所蔵されている。
モチーフ
この絵の主題は、マタイの福音書2章16節~18節に記載されている、新しい指導者となると予言を受けたキリストがベツレヘムに生まれたと聞き、それをユダヤのヘロデ大王が、ベツレヘムの2歳以下の男児を全て殺害させたとされる出来事をもとにしている。
レニーがドラマティックに描く悲劇の物語
暗くて重い建築物に囲まれた風景の前に、光を浴びた8人の大人と8人の子供(勝利のヤシの葉を配る翼の生えた裸の幼児パッティを含む)のグループがうまく配置されている。
子供を殺されまいと叫びながら必死で逃げようとする女性。それを逃さまいと女性の髪をつかむ兵士。右手にはナイフを持ち、今にも殺そうとしている緊迫した表現。
左下の隅に描かれるのは、子供を抱きしめている母親と、子供を殺そうとする兵士、それを止めようとする女性。
一方、子供を抱きしめながら逃げていく女性や、既に虐殺された子供たちのために空に向かって祈りを捧げている女性も描かれており、ダイナミックに悲劇の物語を展開した本作品は、レーニの代表作の1つである。
構図の効果
このテーマではめったに使用されていない珍しい縦型キャンパスが使われ、特に図形の対称構造が上手く配置されているため、レニーが構図問題に挑んだものであることを示している。
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