作品概要
《マ・ジョリ》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1911年から1912年で、MOMAに所蔵されている。

「マ・ジョリ」は、ピカソが1911年から1912年にかけて取り組んだ、キュービズムの油彩作品である。
題名となっている「マ・ジョリ」とは「ボクの可愛い人よ」という意味で、ピカソが頻繁に足を運んだパリのクラブで唄われた歌の一部だった。また「マ・ジョリ」は当時のピカソの愛人、マルセル・ハンブルトの愛称でもあった。
画面中心の三角の塊は、女性の胸から上の姿を表しており、中心下部分に走る六本の縦線はギターの弦として描かれている。女性の頭の上にはフルーツを満載した籠がのっているとされる。全体として、ある女性がギターを弾いているという光景が浮かび上がる。
また、画面にはト音記号や音楽に関わる文字やシンボルが所々配置されている。ピカソやジョージ・ブラックらキュービズムの画家らは、一枚の絵の中に複数の様式や主題を同時に表すスタイルに取り組んでいた。
同作品の場合、黒い文字で表される言語、ト音記号によるシンボル、「マ・ジョリ」という主題を持つことにより完全な抽象ではない情景を表現しようと試みられている。同作品は現在、ニューヨークのミュージアムオブモダンアートに所蔵されている。同題名のピカソによる作品があるが、そちらの方はインディアナポリス美術館に所蔵されている。
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