作品概要
《納骨堂》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1944年から1945年で、アルベルティ―ナ美術館に所蔵されている。

《納骨堂》はピカソが1944年から1945年にかけて描いた、第二次大戦中のナチスによるユダヤ人虐殺を取り扱った作品である。画面中心の黒と白の構成は、ダイニングテーブルの下に散らばった死体を表している。
ゲルニカに次ぐ反戦作
ピカソは、スペイン戦争によって繰り広げられた殺戮の場を映した写真や映像を参考にして、新たなる悲劇を描きあげたのだった。《ゲルニカ》に続く2作目の主だった反戦をうたう絵画となる。
同作品は、三角形を中心とし構図にした、《ゲルニカ》同様の抽象的なイメージで歴史上の惨劇を表している。この作品には6か月以上の月日を掛けて取り組んでいたものの《納骨堂》は未完成となっているため、《ゲルニカ》ほどのマスターピースとして一般的には受け入れられていない。
ゴヤからの影響
しかしながら、平和、反戦、自由を愛するピカソの訴えが強く伝わる作品となっている。同作品を制作するにあたって、ピカソと同郷のスペイン人画家のゴヤの作品からの影響も多大に受けていたとされている。
《納骨堂》は元々、「虐殺」または単に「わたしの絵」と、ピカソは題するつもりでいたといわれている。しかし一度《納骨堂》として知られるようになったため、後々作者は題名を変更する気にはならなかったと伝えられている。
1946年にピカソが共産党に入党してから初めて展示された。現在、アルベルティーナ美術館所蔵。
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