作品概要
《不思議な花》は、画家のオディロン・ルドンによって制作された作品。制作年は1910?年で、モーリス・ドニ美術館に所蔵されている。

《不思議な花》は、フランスの画家オディロン・ルドンによって1910年頃に制作された油彩画である。モーリス・ドニ美術館に所蔵されている。
黒の画家から色彩の画家へ
オディロン・ルドンは、象徴主義の画家の中で最も重要で独創的な画家であった。彼の先見的な作品は、主に夢、幻想、想像力の世界を描き出している。
ルドンはまず、「黒(ノワール)」の作品群で有名になった。黒の表現力と暗示力を引き出す単色の作品たちである。また、しばしば初期の素描に基づいて制作されたリトグラフは、特有のテーマや文学――特にエドガー・ポー、フローベール、マラルメなどのロマン主義と象徴派の作品――に基づいても作られ、そうした文学を探求する手段となった。
その後、ルドンはだんだんとよりカラフルな色調を採用し始め、色彩豊かな花などを描くようになった。
誌的な非現実
ナビ派の先輩画家にあたるオディロン・ルドンは、若い世代の象徴主義者によって師とみなされ、モーリス・ドニは、1900年の絵画《セザンヌ礼賛》の中で、彼を年長者として目立つ位置に描いている。
キャリア後期において色鮮やかな花の作品を多く制作したルドンは、常に自然との関係の重要性を強調してきた。そして彼の芸術の中心的な役割を果たす想像力は、自然の観察に根ざしているとも主張している。
この作品では、花、蝶、あるいは漠然とした曲線となる濃い色の斑点が、詩的な非現実感を作り出している。
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