作品概要

聖アントニオスへの誘惑》は、画家のジェームズ・アンソールによって制作された作品。制作年は1887年から1887年で、シカゴ美術館に所蔵されている。

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風刺としての宗教絵

ジェームズ・アンソールの作品《聖アントニオスの誘惑》はエジプトのキリスト教聖人である大アントニオス(251?-356?)を題材にした絵で、大アントニオスが悪魔からの誘惑にあらがっている場面を表している。

実にスケールの大きな作品で、51枚の紙をつなぎあわせてキャンバスの上に貼っている。それぞれの紙に描かれている絵は本来はばらばらに制作されたものなのだが、どれもきつめの色で統一してあり、線をつないで立体感を打ち消すことで1つの作品に仕上げている。ひとつひとつの絵は、フランスの小説家ギュスターヴ・フローベールの物語に使われていた挿絵から着想を得ている。

乳房がいくつもある女神やスフィンクス、裸の女性たち、ブルジョワジーの男たち、楽器を扱う音楽師などのどこか異形のいきものたちに聖アントニオスが囲まれている場面を描くことで、アンソールは堕落した現代社会の現状を大胆に絵として表現している。

主題

聖アントニオスと悪魔との戦いは、アンソール自身が当時の社会にたいして抱いていた衝動や倫理的な不安の気持ちを反映したものなのかもしれない。

アンソールの専門家であるスーザン・M・キャニング氏は、ゆがみや誇張、不気味さといった《聖アントニオスの誘惑》が持っているいくつかの象徴的な表現について次のように説明している。ゆがみ、誇張、不気味さなどは19世紀という時代を眺めていた人たちが社会にたいして一様に感じていた要素で、それがどのくらい象徴的に主張されているかを見れば、彼らが生きていた時代がどのくらい退廃していたかを推し量ることができる。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジェームズ・アンソール
  • 作品名聖アントニオスへの誘惑
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1887年 - 1887年
  • 製作国ベルギー
  • 所蔵シカゴ美術館 (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ179.5cm
  • 横幅154.7cm
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