作品概要

首吊り死体を奪い合う骸骨たち》は、画家のジェームズ・アンソールによって制作された作品。制作年は1891年から1891年で、アントワープ王立美術館に所蔵されている。

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死者が舞台の主役

なんとも迫力のある作品である。悲劇的でありながら喜劇的だ。2体の骸骨が吊るされた男の体をめぐって口論している。

アンソールの絵は正常なものを不可解にし、どうなるかわからない状況を大きく取り扱う。絵の色調は一様に冷めている。ひんやりとした青に主張の強い赤、そして青緑。そうした色を使って彼は登場人物の動きを操り人形のように描いている。

この絵の生き生きとした大劇場の中では、死者が元気に動き回り、そうではないものは観客になるしかない。奇怪な仮面の下には、とがった鼻や丸いかったり醜かったり怒っていたりする顔があり、主役を奪われてしまってうらやんだ表情をしている。幽霊たちがドラマチックな演劇をしているというのに、人々は扉にもたれておとなしくこの場面を見つめながら立っているだけである。

緊張感のない諍い

幽霊たちは普通の人たちのうち2人を人質に取っている。1人は天井から吊り下げられていて口には”civet”というボードがかかっている。”civet”はフランス語で「シチュー」という意味である。これから捕食者たちによって切り刻まれて彼らが楽しみの料理の材料となるのだろう。骸骨たちの加虐趣味は絵の場面から考えてみると、人間の本質と性向を連想させる。アンソールのたくらみだ。

骸骨の片方は箒を持ち上げて共犯者に振り下ろそうとしているが、反対側の手で洋傘に上品に体を預けている。赤いスカートにブーツ、カラフルな帽子を身につけていることから女性なのだろう。背中の曲がった骸骨は先のとがった武器のようなものを操っているが実はただの箒のようである。どちらもなんともぎこちない動きをしていて、本当のところは本気で死体をめぐって殺し合おうとは思っていないのである。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジェームズ・アンソール
  • 作品名首吊り死体を奪い合う骸骨たち
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1891年 - 1891年
  • 製作国ベルギー
  • 所蔵アントワープ王立美術館 (ベルギー)
  • 種類油絵
  • 高さ74cm
  • 横幅59cm
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