作品概要
《ルッジェーロとアンジェリカ》は、画家のオディロン・ルドンによって制作された作品。制作年は1910年から1910年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《ルッジェーロとアンジェリカ》は、フランスの画家オディロン・ルドンによって1910年に制作されたパステル画である。ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
主題
16世紀のイタリアの叙事詩「狂えるオルランド」の一場面が描かれている。馬に乗った騎士ルッジェーロが、恐ろしい運命から乙女のアンジェリカを救おうとしている。邪悪な光を伴うドラゴンの姿が、左下にぼんやりと見える。嵐の雲が上に見える一方で、脅迫的な霧が下から乙女の危険に向かって巻き上がっている。
人物自体は小さく、スケッチのように描かれている。明暗のコントラストと、アンジェリカが孤立している印象的な岩を含む鮮やかな色合いが、この緊張の走る場面の高いドラマ性を作り出す効果となっている。
想像力の世界
若いルドンは、素朴なボルドーの風景を眺めながら雲を見ていたと言われている。後に、油彩画、素描、リトグラフ、パステル画などで描き出されることになる素晴らしいイメージを、ルドンはその風景の中で想像していた。
《ルッジェーロとアンジェリカ》は、彼のキャリアの最後の段階で、色彩に魅了されていた時期に描かれたものである。クレヨンの単純な線を用いて、豊かな想像を掻き立てる色、光、影のファンタジーを吹き込むルドンの完璧な能力を示している。
この作品は20世紀に制作されたものだが、感情が物に打ち勝ち、色が表現の主な手段であった19世紀のロマン主義を反映している。
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