作品概要
《『イリュストラシオン』誌表紙(1896年クリスマス号)》は、画家のアルフォンス・ミュシャによって制作された作品。制作年は1896年から1896年で、ミュシャ美術館に所蔵されている。

《『イリュストラシオン』誌表紙(1896年クリスマス号)》はアルフォンス・ミュシャによって1896年に『イリュストラシオン』紙のクリスマス号の表紙として制作されたリトグラフ作品である。
『イリュストラシオン』誌
『イリュストラシオン』誌は1843年に創刊された週刊の新聞である。この新聞は当時の他の新聞に比べてページ数が多く、挿絵も多数掲載されていたため、少し値段の高い新聞を買う余裕のあるブルジョワ層を中心に人気を博していた。フランスだけでなく世界各国で発売されており、当時流行していたジャポニスムの影響を受け、日本に関する記事もたびたび掲載された。
作品
画面の上部のアーチには1896・クリスマス(Noel)・1897の文字が見える。その下には二人の女性の姿がある。青白く、力なく横たわっている手前の女性は過ぎ去る1896年を表し、彼女に布をかけつつ上半身を起こす翼を持った女性は来る1897年を示している。1896年の女性はアザミを持っているが、これは罪と苦しみの象徴である。しかし、1897年の女性の背後には小さく教会のシルエットが描かれており、救いがあることが暗示されている。左側にはもみの木と星というクリスマスのモチーフが配され、それを支える手は神の神秘的な力を表している。
この表紙は全体として、来る1897年にもたらされるであろう神の力による救いと調和を表しており、クリスマスのための特別な表紙にふさわしい表現となっている。
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