作品概要
《スラヴの菩提樹の下で誓いを立てる若者たち:連作スラヴ叙事詩より》は、画家のアルフォンス・ミュシャによって制作された作品。制作年は1926年から1926年で、ヴェレトゥルジュニー宮殿に所蔵されている。

《スラヴの菩提樹の下で誓いを立てる若者たち》はアルフォンス・ミュシャによって1910年から1928年の間に制作された壁画連作〈スラヴ叙事詩〉のうち第十八の場面にあたる作品である。この場面は1926年に制作された。
スラヴ叙事詩
1900年のパリ万博を契機として、ミュシャはパリで名を挙げた画家として、その才能を祖国のために生かしたいと熱望するようになった。チェコは当時オーストリア・ハンガリー二重帝国の支配下にあり、民族の自由を失っていたからである。
しかし壁画が完成した1928年には既にチェコは「チェコスロヴァキア」として独立を達成しており、壁画は大きな注目を浴びることはなかった。さらにチェコスロバキアが社会主義国家となると、国家が求める社会主義的な作風とは異なるミュシャの夢想的な絵画は、退廃的であるとして断罪され、モラフスキー・クルムロフの町に死蔵されるようになった。2012年になってようやく、壁画はプラハのヴェレトゥルジュニー宮殿に展示されることになった。
作品
1620年にハプスブルク家のフェルディナント2世に敗れて以降、チェコは神聖ローマ帝国の支配下に入った。それから約300年後、1890年代にはヨーロッパ各地で民族意識が高まり、独立運動が行われるようになった。
この作品ではスラヴ民族の象徴である菩提樹の下で、チェコの若者たちが女神スラヴィアに民族独立の誓いを立てている。画中にはミュシャの息子ジリや娘ヤロスラヴァも描きこまれており、ミュシャの次世代の人々への期待が表れている。
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