作品概要
《聖山アトス:連作スラヴ叙事詩より》は、画家のアルフォンス・ミュシャによって制作された作品。制作年は1926年から1926年で、ヴェレトゥルジュニー宮殿に所蔵されている。

《聖山アトス》はアルフォンス・ミュシャによって1910年から1928年の間に制作された壁画連作〈スラヴ叙事詩〉のうち第十七の場面にあたる作品である。この場面は1926年に制作された。
スラヴ叙事詩
ミュシャはパリで名を挙げた画家として、その才能を祖国のために生かしたいと熱望するようになった。祖国チェコでは長くつづくハプスブルク家支配からの独立への機運が高まりつつあったからである。
1909年にアメリカ人富豪の援助を得て、ミュシャはこの作品に描かれるアトス山など、スラヴ民族ゆかりの地を取材して回った。その後1910年に制作に着手し、1928年に完成した。しかし、既にチェコは「チェコスロヴァキア」として独立を達成しており、また美術の流行は抽象主義や象徴主義に移っていた。建国10周年の記念イベントとして開かれた完成披露展覧会も、新生チェコスロバキアの人々には大きな評価を受けずに終わった。
作品
アトス山はギリシャの北東部にある山で、東方正教会の聖地である。古来ここには大小の修道院が立ち並び、ミュシャ自身1924年にここを訪れている。彼は東方正教会を、スラヴ民族全体を統一する精神的支柱とみなしていた。
画面の下部では巡礼者が司教たちの前に跪き、その上には天使がアトス山の主要な修道院の模型を持って姿を現わす。その上には聖母マリアとキリストが天井画としてではあるが、あたかもそこに顕現しているかのように描かれている。
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