作品概要
《ヤン・アモス・コメンスキー:連作スラヴ叙事詩より》は、画家のアルフォンス・ミュシャによって制作された作品。制作年は1918年から1918年で、ヴェレトゥルジュニー宮殿に所蔵されている。

《ヤン・アモス・コメンスキー》はアルフォンス・ミュシャによって1910年から1928年の間に制作された壁画連作〈スラヴ叙事詩〉のうち第十六の場面にあたる作品である。この場面は1918年に制作された。
〈スラヴ叙事詩〉
〈スラヴ叙事詩〉はチェコ国民の民族意識の高揚と独立への機運を高めることを目的として制作された。チェコ生まれのミュシャは、オーストリア・ハンガリー二重帝国の支配下にある故国の状況を憂え、いつしかその才能を祖国のために生かしたいと熱望するようになったのである。
〈スラヴ叙事詩〉の構想は1900年ごろから芽生え、1910年に着手された。それは18年の歳月をかけて20枚の壁画に結実した。しかし、壁画が完成した1928年には既にチェコは「チェコスロヴァキア」として独立を達成しており、壁画は当初の目的を失っていた。また、ミュシャの様式もすでに時代遅れになっており、〈スラヴ叙事詩〉は期待したほどの歓迎を受けなかった。
作品
1619年にのちの神聖ローマ皇帝フェルディナント2世がボヘミア王に即位し、プロテスタントの弾圧を開始した。このとき亡命したプロテスタント貴族の一人がヤン・アモス・コメンスキーである。彼はボヘミア兄弟団の指導者で、改革的な教育者としても知られていた。
画面ではヤンが亡命先のオランダの海岸で死去する場面が描かれている。右奥ではヤンが椅子に座って死を迎えており、左では彼の信奉者らが嘆き悲しんでいる。しかし中央に灯ったランプはわずかな希望を感じさせる。
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