作品概要
《七つの大罪と四終》は、画家のヒエロニムス・ボスによって制作された作品。制作年は1500?年から1500?年で、プラド美術館に所蔵されている。

中世の審判には、ふたつの概念があった。1つは、個人の死に際に行われる審判、2つめは、世界の終わりの時に下される公審判(最後の審判)だ。だが、7つの大罪を犯した者は、最後の審判を待つことなく、即刻地獄行きになる。
《七つの大罪と四終》の四隅に描かれているのは、人間の4つの終わりの光景。神の目である円環には、7つの大罪が描かれている。本作は壁にかけるのではなく、テーブル代わりの机絵で平らに置いて鑑賞する。スペイン王フェリペ2世の自室に置かれ、愛蔵されていたと伝えられている。
7つの大罪
「憤怒」では、怒り酒場での酔ったあげくの喧嘩、「大食」では、太った男が肉を貪り食う姿、「怠惰」では、祈祷の時刻であるのに、うたた寝をする男 ほかにも、「邪淫」「虚栄」「嫉妬」「貪欲」と、全部で7つの大罪が描かれている。
中心には、慈悲深いキリストがいて、人間の罪深き行いを見つめている。その下に書かれた言葉はラテン語で「気をつけろ、神がご覧になってるぞ」という意味である。
四大終事
画面の四隅には、四大終事である「死」「最後の審判」「天国」「地獄」を円形画面に描いている。
左上は、「死」の場面だ。司祭が立ち会うところに矢をもった骸骨(死)が現れ、天使と悪魔が死者の魂を奪い合っている。左下の「地獄」では、七つの大罪に対応する処罰を描いている。
右上の「最後の審判」は、天使たちの吹くラッパの音とともに、聖母や洗礼者ヨハネを随えてキリストが再降臨し、蘇生した人々を審判している。右下の「天国」の場面は、祝福された者が天上の教会の門をくぐり、天国に迎えられている。
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