作品概要

嵐の中の帆船》は、画家のエルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーによって制作された作品。制作年は1912年から1912年で、クリスティーズに所蔵されている。

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フェールマン島で花開いた感性

《嵐の中の帆船》は、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーがもっとも創意にあふれていた時代に描かれたものである。独自性と鋭い感性を持ったこの表現主義者は第一次世界大戦の始まりを前にして、その他の時期を圧倒するような境地にあった。

ドレスデンからベルリンに居を移したキルヒナーはバルト海に浮かぶフェールマン島でわずかな間、隠遁生活をしていた。フェールマン島は彼にとって天国のような場所で、熱に浮かされた都市の空気から逃れて夏を過ごすことができたのだ。

1912年から1914年にかけて人混みから隔絶され自然あふれる環境の中で夏の数週間を楽しみ、肩肘の張らないリラックスした毎日を送った。《嵐の中の帆船》でキルヒナーはフェールマン島に上陸した猛烈な嵐の様子をとらえ、その力強さを表現した。

自然の力を表現する構図

風景全体をキルヒナーらしい筆づかいが吹き荒れている。数艘の船の列が絵の中央を横切っている。濃いオレンジ色の空に鋭角三角形の白い帆が風で膨らみ、船体は不安定な海面のうねる波を切っていく。

さらに珍しいことに、キルヒナーは絵の右手にしっかりと服を着こんだ人物の姿を描いている。シャープで角ばった線をした男の輪郭が浜辺の草木の輪郭と共鳴している。男の体が明るいオレンジで塗られ、島の風景の上にどっしりと立っていることもその効果をさらに強くしている。

海の波、空を流れる雲、大きく揺れる岸辺に並ぶ植物の葉。こうした流れるような構図を作ることができる、キルヒナーの動的表現に対する強い感性が感じられる。強風にあおられる風景のなかで、これから沖に出ようとする船の危うさが見る人にも伝わってくる。

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基本情報・編集情報

  • 画家エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー
  • 作品名嵐の中の帆船
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1912年 - 1912年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵クリスティーズ (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ90.2cm
  • 横幅120cm
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