作品概要

カーネーション、リリー、リリー、ローズ》は、画家のジョン・シンガー・サージェントによって制作された作品。制作年は1885年から1886年で、テート・ギャラリーに所蔵されている。

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《カーネーション、リリー、リリー、ローズ》では、白い服を着た二人の幼い子供が、夕方になり薄暗くなる中、紙提灯に明かりをともす様子が描かれている。

構成とモデル

ピンクのバラが咲き乱れ、アクセントとして黄色のカーネーションと背の高い白いユリが咲く庭に二人は立っている。画全体が緑の葉で覆われ、奥行きを与える水平線が存在しない。鑑賞者は子供たちと同じ場所に立つような目線となり、子供たちに向かって少し見下げたような構成だ。

描かれている子供たちはサージェントの友人で、イラストレーターのフレデリック・バーナードの娘たちだ。左側にいるのが11歳のドリー、右側が7歳のポリー。元々のモデルはフランシス・デイビス・ミレットの5歳の娘、キャサリンだったのだが暗めの髪色だった。金髪の方がサージェントのイメージに合っていたため、二人が選ばれた。

情景

この場面はイギリスのコッツウォルズにある、ファーナムハウスのイギリス庭園だ。1884年《マダムXの肖像》のスキャンダルからパリを離れ、イギリスに移住して間もない1885年の夏、ミレットと一緒に過ごした場所だ。

この画のインスピレーションは1885年9月、アメリカ人画家のエドウィン・オースティン・アビーと一緒にテムズ川で船遊びをしていた時に湧いてきたと言われている。木々とユリの間で揺れる紙提灯を見た時だった。

描画手法とタイトル

サージェントは夕闇の光加減を完璧に捉えたいと思い、印象派の手法を用いて屋外で描いた。1885年の9月から11月にかけて、その完璧な光加減の数分間に毎日描き、絵画全体に夕暮れの紫っぽい色合いが見事に表現されている。

庭の花は夏から秋へと季節が変わるうちに枯れてしまったため、人工花に置き換えられた。翌夏、ミレッツが新しく居を構えた家で制作が再開され、この画は1886年10月末にようやく完成した。制作の過程でサージェントは長方形のキャンバスの左側をおよそ61cm切り取り、正方形に近い形に変更している。

タイトルは18世紀のオペラ作曲家、ジョゼフ・マジンギの有名な曲の一節から来ている。歌のリフレインで「私のフローラがこっちに行くのを見ましたか?」という問いに対する答えが「彼女の頭の花冠、彼女が頭に着けている、カーネーション、リリー、リリー、ローズ」となっている。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョン・シンガー・サージェント
  • 作品名カーネーション、リリー、リリー、ローズ
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1885年 - 1886年
  • 製作国イギリス
  • 所蔵テート・ギャラリー (イギリス)
  • 種類油絵
  • 高さ174cm
  • 横幅153.7cm
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