作品概要
《ニースの窓辺》は、画家のラウル・デュフィによって制作された作品。制作年は1928?年から1928年で、不明に所蔵されている。

マティスからの影響
フォービズムのリーダー的存在であったアンリ・マティスはデュフィの作品としばしば比較されていた。マティスの1905年に発表された《豪奢、静寂、逸楽》という作品から影響を受け、やがてデュフィは色彩の使い方も大胆になっていった。二人ともフォービズムとして活躍を経て、その後に続く作品では色彩に重きを置いた。
彼らは二人とも北アフリカに旅行し、その地域の緑豊かで異国風な様式に魅せられた。デュフィの作品には知力を要する努力と、熱情的な実験が隠されている。彼の作品の雰囲気は純粋な喜びがあり、そしてその確固たるものがこの雰囲気を一様のものとしている。これがデュフィは悲しい絵画を描いたことがないと言われている所以である。
色彩センスが発揮された作品
《ニースの窓辺》はデュフィの大胆で青、赤、緑、黄で塗りつくされた色、そして活気と流動性のある巧みな線による装飾的センスを発揮したものである。そして独自の手法が顕著だった1920年代半ばから1930年代の作品の一つである。傾いた上向きのテーブルの表面を、彼の中にあるおめでたさによって魔法のように浮かぶ抽象的な円型のものへと変身させた。その静かで乱れのない表面はそれを取り囲む豊かな模様の範囲とは明らかに対照的である。
窓枠の中に風景を取り込む手法は西洋絵画でしばしば用いられてきたもので、デュフィはおしゃれにその手法を自分のものとした。一方その完全で必要なものがそろった様子は、この絵の中で具現化された肉体的感覚を手に入れる状態の象徴となっている。
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