作品概要

街路、ドレスデン》は、画家のエルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーによって制作された作品。制作年は1908年から1908年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

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にぎやかにしている人々が心の底に抱えてるもの

描かれているケーニッヒ通りは当時流行の最先端を行っていたドレスデンの街路だ。キルヒナーが青年期を迎えていたこのころ激動の新世紀が始まったばかり。物質的に豊かどこかお祭り気分のような空気があった時代だが、それは表層的なものにすぎなかった。

キルヒナーはドイツの小さな芸術家集団のリーダーで、現代の都市世界に住む人々の心の揺れをキャンバスのなかで形にしようとした。とげのある色とゆがんだ形、そして型破りとも言える平板で浅くした遠近法。《街路、ドレスデン》は、この時期のキルヒナーの画法を集約している作品だ。

不安を感じさせる人物たち

あふれる色彩でキャンバスのなかから熱が感じられる絵だ。ショッキングピンクにホットレッド、エレクトリックブルー、ネオングリーン。それらを不吉な暗闇が包んでいる。

絵の主人公である女たちは、まるでカメラマンに突然フラッシュをたかれたかのようにみな立ち尽くしている。前景の女は財布をがっちりと掴み、右の女はスカートをたくし上げている。中央の小さな子どもはとてつもなく大きな丸い帽子を被り、花束を持ち歩いていて、その姿は来る者すべてにくってかかろうとしているようにも見える。左側では赤いコートを着て羽毛のついた帽子を被った女が勢いよく駆け抜けている。何か使い走りの途中に違いない。

閉塞、孤独、疎外

ぼやけて輪郭のはっきりとしない人たちが画面上部と左右にぎっしりならび、絵に緊張感を与え閉所恐怖の圧迫感を感じさせる。実際、この世界の中に視線の逃げ場がないことに気づくはずだ。下側のピンクとグリーンの道から入り、斜めに走る勾配のついた舗道を上がったところで満員になった赤い路面電車に行き当たる。この閉塞感はパッと見た感じだけではなく、実際にそう描かれているのだ。この作品から感じる孤独感や疎外感もキルヒナー自身が強く抱いていた感情で、人ごみのまっただなかにいても消えることはなかったものだった。

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基本情報・編集情報

  • 画家エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー
  • 作品名街路、ドレスデン
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1908年 - 1908年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵ニューヨーク近代美術館 (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ150.5cm
  • 横幅200.4cm
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