作品概要

天国と地獄の結婚》は、画家のウィリアム・ブレイクによって制作された作品。制作年は1790年から1793年で、大英博物館に所蔵されている。

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《天国と地獄の結婚》は、英国の詩人であり版画家でもある、ウィリアム・ブレイクによる作品である。この作品は、聖書の予言を模して書かれたものであり、ブレイク自身のロマン主義的で革命的な強い信念も表現されている。彼の他の作品と同じく、散文、詩、イラストを含んだ銅版画として出版された。

版画への色付けは、ブレイク、そしてその妻であるキャサリンにより施された。この作品は、1790年から1793年の間の、フランス革命後の興奮冷めやらぬ政治的混乱の中で作られたものである。タイトルは、33年前にラテン語で出版されたエマニュエル・スヴェーデンボリの神学的作品、《天と地獄》への皮肉もこめて名付けられた。

スヴェーデンボリからの影響

ブレイクは、《結婚》の中の各所でこのスヴェーデンボリを引用し批判している。スヴェーデンボリの壮大で神秘的な宇宙思想の影響を受ける一方、彼の慣習的で道徳的な狭義と、二元性の哲学的教義に関する善悪観は、「物質的な世界と肉体的な欲求は、同じように神の秩序の一部である」という、ブレイク独自の宇宙観を構築した。そしてこうした独自の考え方から、《天と地獄の結婚》が生み出されるのである。この作品は、 「議論」と 「自由の歌」の始まりの部分を除きすべてが散文で書かれている。

ダンテとミルトンと異なる点

また、ダンテの《神曲》とミルトンの《失楽園》からブレイクにより取り入れられた「詩人の地獄への訪問」が含まれている。ミルトンやダンテと異なるのは、ブレイクにとっての地獄は処罰の場ではなく、ディオニソス(酒神)のエネルギー源のような、抑圧のない場所であり、権威主義的で規制された天国の認識とは相反するという思考である。

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基本情報・編集情報

  • 画家ウィリアム・ブレイク
  • 作品名天国と地獄の結婚
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1790年 - 1793年
  • 製作国イギリス
  • 所蔵大英博物館 (イギリス)
  • 種類銅版画
  • 高さ6.1cm
  • 横幅10.2cm
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