作品概要
《アダムを創造するエロヒム》は、画家のウィリアム・ブレイクによって制作された作品。制作年は1795年から1805年で、テートギャラリーに所蔵されている。

《アダムを創造するエロヒム》は1795~1805年にイギリスの詩人・画家であるウィリアム・ブレイクによって描かれた作品である。エロヒムとはヘブライ語で神の名前である。
本作品は、旧約聖書創世記の一節「主なる神は土のちりで人を創った」場面を描いている。
ブレイクはこの作品で、人間が分かち合うために、人が道を歩かなければならない長く困難なプロセスを、神であるエロヒムがアダムを創造している事で表現している。
エロヒムは左手に地球を創造する為の素材を、右手に新しい生命を持ち地球に降り立つ。その時右手にある新しい生命が“アダム”である。アダムとはヘブライ語で“土”と“人間”を意味している。エロヒムが土のちりの中から自身に似せた人類最初の男であるアダムを創造しようとしているシーンである。
ブレイクの場合、旧約聖書に描かれている神は偽りの神であった。ブレイクにとって、人間の堕落の始まりはアダムとエバが禁断の実を食べた時ではなく、ブレイクが描いたこの絵の様にエロヒムがアダムを創造の時に起こったと信じていた。人間が霊的な領域から引きずられて、物質的にされた時であるのだと。
現在この作品は、イギリスのテート・ギャラリーに貯蔵されている。
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