作品概要
《東方三博士の礼拝》は、画家のレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された作品。制作年は1481年から未完年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

未完の傑作
1481年から1482年頃フィレンツェ郊外にある、サン・ドナート・ア・スコペート修道院から祭壇の中央に飾る絵として注文されたダヴィンチ未完の傑作のひとつである。
モチーフは新約聖書の東方から来た三人の博士が、新星の導きにより神の子供であるイエスの元へ出向き黄金と乳香、を捧げる場面である。ダヴィンチに限らずこの三博士の礼拝の様子はベラスケスやルーベンスなど多くの著名な画家たちによって描画されているモチーフである。
来歴
本作品が未完に終わってしまったのは、作品を描いている途中でダヴィンチがミラノへ転居してしまったためである。その後1621年にはメディチ家のコレクションとなった。
未完に終わった理由は金銭的なトラブルとする説が有力であるが、詳細はわかっていない。
スタイル
彩色されていないモノクロームの状態であるが、聖母マリアを中心に三博士などが円形にひれ伏すような形で配置されており、同時期の作家にはみられない立体感のある構図となっている。
また画面奥の背景には遠近法がたくみに取り入れられており非常に細かく描写されていることからダヴィンチもこの作品に非常に強いこだわりを持って制作にあたっていたことが伺える。
現在はフィレンツェのウフィツィ美術館にて所蔵されている。
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