作品概要
《「南西モラヴィア同盟の宝くじ」のためのポスター》は、画家のアルフォンス・ミュシャによって制作された作品。制作年は1912年から1912年で、ミュシャ美術館に所蔵されている。

《「南西モラヴィア同盟の宝くじ」のためのポスター》はアルフォンス・ミュシャによって1912年に制作されたリトグラフ作品である。この作品は「南西モラヴィア同盟」の発売する宝くじの宣伝のために制作された。
学校設立を目指して
この時代、チェコはハプスブルク家の支配するオーストリア・ハンガリー二重帝国に支配されていた。帝国は厳しい同化政策を敷き、学校教育はドイツ語でのみ行われていたため、チェコ語話者は減少の一途を辿っていた。公教育から締め出されたチェコ語はわずかに私立学校と地域のチェコ語教育組織によって教えられていた。
この宝くじは1クローネ(チェコの通貨)で売られ、その収益は南モラヴィア地方でチェコ語教育を行うことができる私立学校設立のための基金に充てられることになっていた。
作品
画面の中央にチェコの母親を象徴する女性「チェヒア」が枯れ木の上に座っている。彼女は祖国の衰退を嘆いており、枯れ木もそれを象徴する。彼女が右手を置いているのは古代スラヴ民族の最高神であるスヴェントヴィト神で、東西南北すべての土地を支配するという意味で四方を向いた4つの顔を持っている。
一方、「チェヒア」の前に座る少女は意志の強そうな顔で前方に目を向けている。彼女は左脇にノートを、右手にペンを持っており、これらはこの基金によって彼女が受けられるであろう学校教育を象徴している。教育によって祖国を復興できる人材を育成するため、学校設立のためのくじを買うことが強く訴えられているのである。
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