作品概要
《古い街Ⅲ、緑の中の街》は、画家のエゴン・シーレによって制作された作品。制作年は1917年から1917年で、ノイエ・ギャラリーに所蔵されている。

悲劇的な早逝の画家
特徴的な画法、立体的な歪みの採用、そして従来の美術規範の大胆な反抗において、エゴン・シーレはオーストリアの表現主義を牽引する画家の一人だった。彼の肖像画や自画像は、そのモデルの精神性とセクシュアリティの探求において、20世紀美術の中で最も注目すべきものである。
短いキャリアの中で驚くほど多作だったこの画家は、精神的かつエロティックな作品だけでなく、スキャンダルだらけのみだらな生活、悪評、インフルエンザによる28歳での悲劇的な早逝などの、興味深い人生で有名である。彼が亡くなったのは、妊娠していた妻が死亡した3日後、そして彼のキャリアの大半で無縁だった商業的成功の寸前のことであった。
肖像画と似た要素のある風景画
シーレの作品は肖像が中心であったが、ヨーロッパ全土を旅する機会を持ったシーレは、土地や都市にも引き寄せられた。実際、出身地であるでウィーンや田舎を描いた絵画は、彼の作品の重要な部分を占めている。この絵は、1911年に短期間住んでいた、母親の故郷クルマウに部分的に触発されている。
シーレの風景画は、人が描かれていなくとも、彼の描く肖像画作品との間に魅力的な類似点を持っている。鳥瞰図を頻繁に使用することは、彼の肖像画の最も根本的な要素の1つ、すなわちモデルを上から描く傾向を思い起こさせる。
この作品には、他にもシーレの特徴的な表現要素が含まれている。とりわけ、大胆かつシャープな輪郭の採用である。シーレがあまり使用しない色調の採用は、この作品を肖像画とは別のものにしている要素である。
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