作品概要
《ほおずきの実のある自画像》は、画家のエゴン・シーレによって制作された作品。制作年は1912年から1912年で、レオポルド美術館に所蔵されている。

悲劇的な早逝の画家
特徴的な画法、立体的な歪みの採用、そして従来の美術規範の大胆な反抗において、エゴン・シーレはオーストリアの表現主義を牽引する画家の一人だった。彼の肖像画や自画像は、そのモデルの精神性とセクシュアリティの探求において、20世紀美術の中で最も注目すべきものである。
短いキャリアの中で驚くほど多作だったこの画家は、精神的かつエロティックな作品だけでなく、スキャンダルだらけのみだらな生活、悪評、インフルエンザによる28歳での悲劇的な早逝などの、興味深い人生で有名である。彼が亡くなったのは、妊娠していた妻が死亡した3日後、そして彼のキャリアの大半で無縁だった商業的成功の寸前のことであった。
最も有名な自画像
これは、おそらくシーレの最も有名な自画像である。シーレが22歳、数多くの展覧会に参加していた時期に描かれた。
この作品のシーレは、自分の芸術的な才能への自信を示す表情で鑑賞者を見据えている。他の自画像よりも歪みが少ないにも関わらず、この作品は、やけどを負ったような皮膚や画家の技法を示す特徴的な線などにより、主題の理想化を拒否している。
1912年にミュンヘンで展示されたこの絵は、他の表現主義者の作品だけでなく、当時の彼の恋人ヴァリー・ノイツェルを描いた肖像画とともに展示された。ヴァリーの肖像画は、ユダヤ系オーストリア人の家からナチスによって盗まれ、12年間の法廷闘争を経て2010年にウィーンに戻った。
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