作品概要
《ピエール・ロティの肖像》は、画家のアンリ・ルソーによって制作された作品。制作年は1891?年から?で、チューリヒ美術館に所蔵されている。

《ピエール・ロティの肖像》は、フランスの画家アンリ・ルソーによって1891年頃に制作された油彩画である。チューリヒ美術館に所蔵されている。
遅咲きの「日曜画家」
アンリ・ルソーは、遅咲きの労働者階級であるという美術史上の不幸に耐えた画家である。彼は40代に真剣に絵を描き始めた「日曜画家」であり、その独学による作品たちは批評家たちの嘲笑の的であった。「ナイーブ」や「シンプル」といった嘲りの形容詞を浴びてしまうスタイルを持っていたルソーは、芸術史の外に追いやられてしまった。
モデルについて
ピエール・ロティ(1850-1923)は、その著書内において極東への愛を明確に記したことで有名なフランス人作家である。1891年にロティがアカデミー・フランセーズの会員になったことが大々的に報道されると、画家はこの小説家の肖像を描くことを決めた。それに加えてロティとの間には、ルソーを惹きつけた異国の夢のような世界への逃避という共通の熱望があった。
図像解説
ロティの顔を正面から描いたこの作品は、15世紀のフランドル絵画をほのめかしているようだが、実際はルソーはロティとは一度も会ったことがなく、出版された写真を模写したためにこのポーズとなったと考える方が自然である。トルコ帽をかぶっている姿を描いたのは彼の著書「モロッコにて」の成功にからであり、猫はロティの動物好きから来ている。
何度か描き直しているため、制作年をはっきりさせることは難しいが、新聞がロティの記事で賑わっていた1891年以降に描かれた可能性が高い。
ルソーとロティは一度も会ったことがないということには驚かされました。
2019年9月10日 7:25 pm, ID 14215写真の模写でよく書けたなぁ〜
ピエールはタバコが好きだったんかな