作品概要
《サン=クルー公園の並木道》は、画家のアンリ・ルソーによって制作された作品。制作年は1908年から1908年で、シュテーデル美術館に所蔵されている。

遅咲きの「日曜画家」
アンリ・ルソーは、遅咲きの労働者階級であるという美術史上の不幸に耐えた画家である。彼は40代に真剣に絵を描き始めた「日曜画家」であり、その独学による作品たちは批評家たちの嘲笑の的であった。「ナイーブ」や「シンプル」といった嘲りの形容詞を浴びてしまうスタイルを持っていたルソーは、芸術史の外に追いやられてしまった。
それにもかかわらず、彼の一度見たら忘れることのできない作品は、文学者や芸術家のグループの注目を集めた。彼の驚くべき作品は詩人ギヨーム・アポリネール、小説家アルフレッド・ジャリ、画家パブロ・ピカソによって賞賛され、マックス・ベックマン、ワシリー・カンディンスキー、フェルナン・レジェなどの画家に大きな影響を与えた。
図像解説
この作品は、パリ郊外、セーヌ川沿い、ブローニュの森近くにあるサン=クルー公園の並木道を描いている。この道は、古くから知られている散歩道であった。
ジャングルの想像上の場面を描いた作品で知られているルソーだが、この作品において、自然は単なるもつれあう葉の集合ではない。むしろ、それは素晴らしい構成を持つ対称的なものであり、最も重要なことには、非常にわかりやすいものとなっている。木は兵士のように道に沿って整然と並んでいて、鑑賞者の視線はその道を通り、遠くにある建築物の眺望を垣間見ることができる。影は格子状のパターンになっており、基礎となっている視覚構造をさらに強調している。
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