カーニバルの夜

この作品は、ルソーの初期作の一つである。サロンに落選したルソーは、1884年から始まった無審査で誰でも参加できるアンデパンダン展を全面的に活用した。本作を1886年に出展した後、1910年に亡くなるまで、ルソーはほぼ毎年この展覧会に作品を出展し続けた。

図像解説

神秘的な空気が森林の風景に広がっている。カーニバルの衣装を着た孤独な夫婦が不毛の木々の前に立っている。彼らは暗闇の中、森を去った月の光を浴びて輝いているように見える。横にある空の小屋には顔があり、そばでは街灯が不自然に輝いている。幻想的な場面を多く描いたことで知られているルソーは、パブロ・ピカソを含む20世紀初頭の収集家やアバンギャルドなアーティストにとって魅力的な作品を手がけた独創的な画家であった。

評価

森に囲まれ、手の込んだ衣装を着た人々のいる不可解な状況のこの作品は、当時の批評家や一般の鑑賞者たちを当惑させ、嘲笑や皮肉を浴びる結果となった。まるで演劇の背景幕のように、前景、中景、背景が同じ平面にあるように見える遠近法の無視もまた、この絵を理解しがたいものにしている要因である。

魅惑と脅威の両方を帯びたこの初期作品は、後に多く描かれることになるジャングルの作品群を予兆するものとなっている。ある批評家は、ルソーの描く森について次のように書いている。「子供のときに夢見た、恐怖と美しさを合わせ持つ未開の森であり、幻想の創造としての森である」